「ランドセルの重量が気になる…」と「重量が軽い」ランドセルを検討していますか?
最近は、ランドセルがA4フラットファイル対応で大きくなり、タブレットも配布されたりと、重さが気になりますよね。
そこで、この記事ではランドセルの重量について解説します。
この記事は以下のような人におすすめ!
- ランドセルの重量が気になる人
- 軽いランドセルを探している人
この記事を読むことで、ランドセル重量についての知識が身に付きます。
通学で重いのは教科書とタブレット
教科書は大判化している
実は、学習指導要領の改訂などの影響で、昔よりも小学校で配布される教科書は、大判化やページ数が増えています。
1973年生まれの祖父母が、小学校に入学する1979年度(昭和54年)まではA5判が一般的でした。
そして、1999年生れの親御さんが、小学校に入学する2005年度(平成17年)になるとB5判に大判化。
2024年度(令和6年)に入学するお子さんは、B5判(38.6%)、AB判(36.3%)、A4版(25.1%)とさらに大判化しています。
教科書のページ増
(一社)教科書協会によると、小学校全学年の全教科を出版各社で平均すると、4,857ページ(平成17年度)から8,647ページ(令和6年度)と178%も増えています。
そこで、令和6年度から、小学校の一部教科でデジタル教科書が導入され始めています。
2020年度から国は「GIGAスクール構想」が始まり、デジタル教育の推進としてタブレットが配布されています。
タブレットが配布されても、教科書がなくなるわけではありません。
教科書も大判化するだけではなく、タブレットの持ち帰りでさらに重くなっています。
東京書籍株式会社によると、約40年前の小学3年生の国語、算数、理科、社会の教科書は、合計で約990gでしたが、現行版では、合計約2250gにもなっているという調査結果があります。
配布プリントもB5判からA4版に拡大
小学校で配布されるプリントもB5判からA4版に変わってきています。
そこで、プリントが折れないようにA4クリアファイルも使うようになりました。
これにより、「A4クリアファイルが入るランドセルがほしい」との要望から、2009年、ランドセルがA4クリアファイル対応サイズ(22.5×31cm)に拡大化します。
配布プリントをA4フラットファイルにとじる
「A4クリアファイルではなく、A4版フラットファイルを折らずにすむランドセルがほしい」という要望から、2011年、A4フラットファイル対応サイズ(23×31cm)に再拡大化しました。
A4フラットファイルはA4プリントをきれいに管理するために導入されました。
よく、「ランドセルが大きく重くなった」という声がありますが、大きく重くなったのは学用品です。
文部科学省は置き勉を推奨しているが…
学用品が重いということで、文部科学省は、教科書類を学校に置いたままにする「置き勉」を推奨しています。
「児童生徒の携行品に係る配慮について」という事務連絡を出しました。
しかし、各地地域の学校にはあまり浸透していないようです。
タブレットの重さ平均
小学校で配布されるタブレットの重さは、端末の種類によって変わりますが、おおむね約1.1~1.3kgです。
ただし、タブレットを持ち帰るかどうかは、学校によって対応が変わります。
文部科学省では、「GIGAスクール構想」の中で、学習用コンピュータを決めています。
OS | 画面の大きさ | 重さ |
---|---|---|
Chromebook | 9~14インチ (可能なら11~13インチ) | 1.5kg未満 |
iPad | 10.2~12.9インチ | 1.5kg未満 |
Windows | 9~14インチ (可能なら11~13インチ) | 1.5kg未満 |
大きいものは、30cm×20.6cm×2.1cm、小さいものは、25cm×17.5cm×0.75cmぐらいです。
A4フラットファイルのサイズは、30cm×23cm×1.5cmぐらいなので、A4フラットファイルが入れば、タブレットは入ります。
これにより、重い日は教科書とタブレットで約4kgの学用品を背負うことになります。
水筒持参
昔は、水筒を持って行かずに、学校の水道水を飲んでいました。
しかし、今では衛生面の問題や熱中症対策として、みんな水筒を持って行くようになっています。
小学校低学年のお子さんなら、500~800mlぐらいの容量を持たせると思いますので、約1kg弱は水筒の重さです。
このように、大判化された教科書、タブレット配布、水筒持参などにより、ランドセルはどんどん重くなっています。
そこで、親御さんは、「うちの子にはできるだけ軽いランドセルを」と思うわけです。
ランドセルは軽量化されている
親御さんが使っていた頃のランドセルの重さは約1,400gです。
現在、ランドセル重量の平均は1,200gぐらいで、1,000g以下のランドセルも登場しています。
耐久性を保ちながら、人工皮革の使用、芯材の工夫で軽量化されています。
素材による重さ平均
工房系ランドセルで有名なブランド「土屋鞄」の素材別重量を見てみましょう。
素材 | 重さ |
---|---|
コードバン(馬革) | 約1,490g |
牛革 | 約1,340g |
牛革ハイブリット(人工皮革併用) | 約1,290g |
人工皮革(クラリーノ) | 約1,130g |
最高級の素材であるコードバンは約1,490gに対し、牛革は少し軽い約1,340gです。
そして、かぶせには牛革、本体には人工皮革を併用したハイブリットタイプなら、約1,290gとなっています。
かぶせも本体も人工皮革のものは、約1,130gと軽くなっています。
このように、使う革素材によっても重さは変わりますが、その差は200~300gと教科書1冊分くらいです。
次に、牛革だけどミニマルデザインで軽量化を実現している「アタラ」を見てみましょう。
素材 | 重さ |
---|---|
牛革(イタリア製レザー) | 約1,250g |
牛革ランドセルは、軽くても約1,200g以上あります。
そこで、軽いランドセルを選ぶとなると、素材は人工皮革しかありません。
次に、人工皮革で軽量化を実現している「ふわりぃ」を見てみましょう。
素材 | 重さ |
---|---|
人工皮革 | 約880g |
こちらがおすすめできるランドセルの一番軽いモデルです。
1,000gを切る軽さですが、軽くするためには、様々な機能がなくなります。
軽量化によりどんな機能がなくなるのか
一般的な軽量化で、なくなったり小さくなる機能は次のようなものです。
- 人工皮革にする
- 吊りカンをなくす
- ヘリをなくす
- マグネット式の錠前でベロをなくす
- 時間割を入れるポケットをなくす
- ファスナーポケットを小型化
- 持ち手をなくす
- 安全ナスカンは片側のみ
人工皮革になる
天然皮革である牛革は重いので、人工皮革になります。
クラリーノなどの国産人工皮革なら、6年間使うのに耐久性は問題ありません。
吊カンがない
吊りカンはランドセルを吊るすための金具です。
金具類は重いので、吊りカンをなくして軽量化しているものもあります。
吊りカンがないと、ランドセルをひっかけて吊るすタイプの収納ができません。
また、ランドセルカバーを付けるときにゴムをかけることができないデメリットがあります。
ただし、吊りカンがなくても付けられるランドセルカバーも売っています。
ランドセルは吊るさずに収納する方法もあります。
ベロがない
ベロは、かぶせの先についている錠前の部分です。
軽量化されたランドセルは、ベロがなく前面錠前で閉じるタイプもあります。
ベロがないということは、ランドセル全面に錠前がきます。
時間割ポケットがない
最近は、かぶせ裏についている時間割ポケットがないものが増えています。
連絡帳袋で代用したりできますし、学校によっては時間割が毎週固定ではないところもあります。
ファスナーポケットが小さい
ランドセルの収納は、大マチ、小マチ、ファスナーポケットの3つが一般的です。
ランドセルによっては、小マチやファスナーポケットがなかったり、小さかったりします。
持ち手がない
ランドセル上部にある「持ち手」が付いていないタイプもあります。
親御さんがランドセルを背負わせるのに補助として持つのに使ったり、学校のロッカーから引っ張り出すときに持ったりします。
安全ナスカンは片方だけ
側面に給食袋などをぶらさげるナスカンですが、片方だけのものあります。
車は左側通行し、歩行者は右側通行しますので、安全上、給食袋は右側にぶらさげます。
左側は、車に巻き込まれたりする可能性があり、危険なのでナスカンを付けないランドセルもあります。
このように、ランドセルは軽量化するために、ミニマルデザインとなっていきます。
一般的な人工皮革ランドセルは1,200gぐらいです。
とても軽いランドセルで880gですから、その差は320gで教科書1.5冊です。
機能を減らして1,000g以下の軽量ランドセルを選ぶ方法もありますが、その分、不便と感じるかもしれません。
ランドセルは重さも大切ですが、もっと大切なのは「体感重量」です。
体感重量を軽減させる工夫
ランドセル自体の軽量化には限界がありますので、メーカー各社は体感重量を軽減させる工夫をしています。
体感重量とは、ランドセルに学用品を入れたときに背負い心地が良く、軽く感じることを言います。
背負いカバンの特徴として、背中に密着したほうが背負いやすいというのは、「おんぶ」をイメージしていただくとわかるかと思います。
お子さんを「おんぶ」するときも、背中に密着してくれたら背負いやすいですが、背中から離れると背負いにくくなります。
これを実現するために、各社は3つのことを工夫しています。
- 立ち上がり背カン(左右連動)
- 柔らかい背あて
- S字肩ベルト
立ち上がり背カン
立ち上がり背カンは、ランドセル至上、最大の発明と言われ、背カン部分と肩ベルトの付け根から立ち上がったものを言います。
背カンが立ち上がることで、ベルトの力でランドセルが背中にフィットします。
柔らかい背あて
背あては、背中が当たる部分のクッションです。
ランドセルは肩だけで背負うのではなく、背中が触れる面積が広いと、背中でもランドセルを支えることになり、体感重量の軽減につながります。
また、クッション性が良ければ、歩くたびに背中に当たっても痛くありませんし、通気性が良ければ、夏場のムレも安心です。
S字肩ベルト
一般的には、S字ベルトは体感重量の軽減につながるとされています。
ただし、小さなおこさんの場合は、S字の湾曲ベルトが合わない場合もあるようなので、ストレートベルトと湾曲ベルトを両方試着して確かめるのもよいでしょう。
また、「ララちゃん」のランドセルは、「マジかるベルト」と「標準ベルト」を付け替えることができます。
低学年のうちは、ストレートのマジかるベルトを使い、中・高学年になったら湾曲の標準ベルトに変える方法もあります。
これらにより、体感重量を軽減することも重要です。
負担のかかりにくい入れ方
ランドセルに荷物を入れるときにも工夫次第で体感重量は変わります。
タブレットや教科書など重たいものは、背中側に収納することで軽く感じることができます。
背中から遠いところや小マチには、体操服などを入れましょう。
重さが気になるのは買うときだけかも
ランドセルを選んでいるときは、年中さんか年長さんです。
お子さんも小さいですから、200gの重さでも軽くしてあげたいと思うでしょう。
しかし、お子さんは小学校に入れば、あっというまに大きくなります。
ランドセルを買う時期の平均身長は、男の子で年中さん102cmぐらい、年長さん104cmぐらいです。
小学校6年生になると145cmぐらいですから、40cm以上も変わります。
購入時の背負い心地と小学校6年では体つきが大きく違います。
体が40cmも大きくなるので、実は、重さや背負い心地にこだわりすぎなくてもいいでしょう。
ランドセルカタログ2026・2025一括資料請求まとめ 62ブランドまとめ
学用品は大きく重くなってきています。
ランドセルは軽量化されていますが、重要なのは軽さだけではなく、体感重量です。
人工皮革の素材で、体感重量を軽減されたランドセルを選べば、重さはある程度軽減されます。
また、軽量ノート(約20%軽量化)や軽い水筒など、中に入れる学用品も工夫することにより、軽くすることができます。
荷物の入れ方も重要です。
できるだけ重いものは、背中側に収納することでさらに軽く感じられます。
ぜひ、ランドセル選びの際に参考にしてみてください。
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