「ランドセルの素材は何がいい?」とランドセルの選び方を調べていますか?
ランドセルの素材は、クラリーノや牛革、馬革などさまざまなものがあります。
そこで、ランドセルに使われる素材ごとのメリットやデメリットをお伝えします。
この記事は以下のような人におすすめ!
- ランドセル選びで素材を調べている人
- ランドセル素材の違いを知りたい人
この記事を読むことで、ランドセルの素材選びができます。
ランドセルで人気の素材
ランドセル工業会の調べでは、購入したランドセル素材の1番人気はクラリーノで、その次に牛革、馬革となっています。
ただ、クラリーノの人気が、ここ5年で下がっていて、不明な素材が上がっています。
この理由は、ランドセルメーカーが、クラリーノからその他の人工皮革に素材を変えていることと、ランドセルの仕様に素材名を書かずに「人工皮革」としか記載しないことが原因だと思われます。
ですから、クラリーノと不明を足したものが「人工皮革」と考えてよいでしょう。
ランドセルの素材別特徴
天然皮革
天然皮革は、動物の皮から作られる皮革(ひかく)のことです。
ランドセル素材では、牛や馬、豚の皮が使われます。
皮革は、動物の皮をなめし(加工し)て、柔らかくて耐久性、耐水性のある革素材にします。
牛革や馬革は、ランドセルのかぶせや本体に使われ、豚革はランドセルの内装に使われます。
天然皮革の特徴
天然皮革の特徴は次の通りです。
- 経年変化(エイジング)
- 耐久性
- 柔軟性
- 通気性
経年変化(エイジング)
天然皮革は使っているうちに、色や質感が変わります。
深い味わいや風合いが出るのが特徴で、これを経年変化(エイジング)と呼びます。
革製品が好きな人は、使い込むことで個性が生まれるエイジングを楽しみます。
ただ、「子どもが使うランドセルにエイジングなんて必要ない」と思われる親御さんもいるかもしれません。
耐久性
天然皮革は、長期間使える耐久性があり、お手入れをすることで10年以上使えます。
また、ランドセルはお子さんが6年間使うので、一般的な革製品よりもお手入れが楽になるように加工されています。
一般的な天然皮革は防水加工がされていないものもありますが、ランドセルは、雨の日でも大丈夫なように防水・撥水加工されています。
防水加工とは、水を通さない加工のことで、撥水(はっすい)加工とは、水をはじく加工のこと。
撥水加工は、革素材の表面に撥水加工を施しているだけなので、使い続けているうちに効果が落ちていきます。
防水加工は、素材自体を加工して、水を通さないようにするので、使い続けても防水効果は落ちません。
ただし、ランドセルの素材は6年間使うことを想定しているので、撥水効果が続くように加工されています。
柔軟性
天然皮革は、使えば使うほどに柔らかくなり、体になじみやすくなって使いやすくなります。
通気性
天然皮革は、繊維が空気を通しやすく、蒸れにくい素材です。
ランドセルでは、背あてや肩ベルトの部分には、通気性がよいソフト牛革が使われます。
背負っているときに汗を吸収してくれ、肌触りもよいので、快適に背負えます。
天然皮革の種類
ランドセルに使われる天然皮革には、いくつかの種類があります。
- 牛革
- 馬革(コードバン)
- 豚革
牛革
天然素材で一番使われるのが牛革です。
耐久性や柔軟性が高く、ランドセルの素材としてよく使われます。
また、牛革は加工方法によって呼び方が変わります。
軽い牛革のランドセルを徹底比較5選!おすすめランキング- スムース牛革
- シボ牛革(ボルサ・ビトリア)
- ヌメ革
スムース牛革
スムース牛革とは、滑らかに見える加工をした牛革のことです。
光沢のあるランドセルに使われます。
高級素材の馬革(コードバン)に近い雰囲気が特徴です。
滑らかで手触りはよいですが、キズが目立ちやすいこともあります。
シボ牛革(ボルサ・ビトリア)
シボ牛革とは、革の表面に「シボ」と呼ばれる立体的な凹凸(おうとつ)を付けた加工のことです。
表面に凹凸があるので、キズが目立ちにくく、耐久性があり、お手入れも簡単といった特徴があります。
ランドセルに使うスムース牛革とシボ牛革は、防水・撥水加工がされているので、お手入れは簡単です。
特に使いやすいのはシボ牛革です。
ヌメ革
ヌメ革とは、簡単な「なめし加工」をしただけの牛革です。
防水・撥水などの加工がされていないので、水と乾燥に弱く、定期的な手入れが必要です。
水と乾燥に弱く、キズがつきやすい手間がかかる素材です。
しかし、経年変化で独特な味わいが出てくるところは、革好きにはたまらないでしょう。
ヌメ革のランドセルを徹底比較4選!おすすめランキング馬革(コードバン)
緻密さと美しい光沢、滑らかな手触りがあり、革の中でも最高級の素材。
馬革の希少な部分を使うことから「革のダイヤモンド」とも呼ばれ、高価で人気の素材です。
コードバンのランドセル生産量は市場の0.1%程度。
馬のお尻の革で緻密な繊維構造を持ち、表面はとてもなめらかで、牛革の3~5倍もの強度(傷のつきにくさ)があります。
10万円以下のコードバンランドセル徹底比較5選!おすすめランキング豚革
豚革は、通気性が良く、軽量で、ランドセルのかぶせ裏側などに使われます。
アメ豚は、なめしと染色加工によって、美しいアメ色に仕上げた豚革のことです。
天然皮革のメリットとデメリット
メリット
- 耐久性
- 通気性
- 自然な肌触り
- 経年変化による風合い
天然皮革のメリットは、耐久性や通気性(ムレない)があることです。
自然な肌触りで、使い続けることで経年変化(エイジング)による風合いが楽しめます。
デメリット
- 人工皮革よりも重い
- 人工皮革よりも高価
- 豚革を使うと寄付できないことがある
デメリットは、ランドセルの素材として考えると、人工皮革よりも1割程度重くなります。
また、価格も人工皮革より高価になりがちです。
表面加工をしていない皮革は、水に弱いというデメリットがありますが、ランドセルの素材で使う皮革は防水・撥水加工されているので、人工皮革のように水に強く、お手入れは楽です。
小学校卒業後にランドセルを破棄するのはもったいないということで、寄付するときに「豚革」を使ったランドセルは断られることがあります。
寄付団体は、海外へ送ることがあり、宗教上、豚革を使った製品がNGの国があるためです。
人工皮革
人工皮革とは、天然皮革に似せて人工的に作られた皮革です。
人工皮革の特徴
- 天然皮革よりも安価
- 天然皮革よりも軽い
- カラーやデザインが豊富
- お手入れが簡単
天然皮革よりも安価
革製品に興味のある方は、ご存じだと思いますが、天然皮革は高価です。
それに比べて、人工皮革は安価になります。
参考までに、レザークラフトをする際に、革素材を買う場合の単価を目安で表にしました。
革は、ds(デシ)という単価で買います。
1ds = 10cm × 10cm = 100㎠
皮革素材 | ds単価 |
---|---|
馬革(コードバン) | ¥500~1,500 |
牛革 | ¥50~150 |
人工皮革 | ¥30~150 |
合成皮革(合皮) | ¥10~50 |
ランドセルで使う皮革は、6年間使えるように、高品質なものを使っているので、必ずしも上記の単価とは限りません。
ただ、牛革と人工皮革を見ていただくと、素材だけでみると若干安いだけです。
これが、人工皮革なのにランドセルが思ったほど安くない理由のひとつです。
「人工皮革が安い」と勘違いされるのは、おそらく、牛革と合皮を比べて、合皮は半額ぐらいイメージがあり、人工皮革と合皮が同じだと思っているからだと思います。
しかし、合皮と人工皮革は違います。
合皮は安いですが、耐久性がないので、6年間使うランドセルには向いていません。
合皮の寿命は、一般的に製造から3~5年ほどと言われています。
同じ性能のランドセルであれば、牛革よりも人工皮革のクラリーノ製の方が、1~2万円ほど安くなるイメージです。
天然皮革よりも軽い
人工皮革は、天然皮革よりも1割ぐらい軽いのが特徴です。
人工皮革と天然皮革のランドセルを比べると、機能が同じだとすると、その差は約200g(教科書1冊分)ぐらい軽くなります。
カラーやデザインが豊富
人工皮革は、加工がしやすいので、多彩なカラーとデザインが豊富です。
カラーも多様化し、少しくすんだ「くすみ色」や淡い「パステルカラー」、ツヤのある「パール色」、2色を配色した、ツートン(バイカラー)など、カラフルなランドセルは人工皮革が多いです。
お手入れが簡単
人工皮革の表面は、耐水性のウレタン樹脂です。
雨に濡れても型崩れしたり、重くなったりしません。
乾いた布で軽く拭き取るだけで大丈夫です。
汚れた場合は、水で薄めた中性洗剤で汚れを拭き取ってから、硬くしぼった布で水拭きします。
ただし、油性ペンなどの汚れは落ちないので注意が必要です。
人工皮革の種類
人工皮革は様々な種類がありますが、良くランドセルに利用されるものを紹介します。
「クラリーノ」は、1964年に(株)クラレが、世界で初めて事業化に成功した人工皮革です。
1967年、ふわりぃ(協和のランドセル)が、クラリーノのランドセルを他社に先駆けて発売。
現在、国産では、「クラレ」「帝人コードレ」「フィルウェル」の会社がランドセル用の人工皮革を製造・販売しています。
- クラリーノ(クラレ)
- コードレ、タフガード(帝人コードレ)
- ベルバイオ(フィルウェル)
クラリーノ
クラリーノは、人工皮革で一番シェアがある素材で、雨・傷に強く軽いのが特徴です。
クラリーノは、6シリーズに分かれます。
クラリーノ種類 | 評価 | 特徴 |
---|---|---|
クラリーノ® タフロック®NEO | 風合い 軽さ 耐傷 | 軽さと、しなやかな風合いも兼ね備えたハードな傷に強い最も丈夫なシリーズ |
クラリーノ® タフロック® | 風合い 軽さ 耐傷 | レミニカよりもさらに傷が付きにくい美しいフラットな外観が特長 |
クラリーノ® レミニカ® | 風合い 軽さ 耐傷 | 表面が傷に強いウレタン層になっていて、丈夫で耐久性に優れている |
クラリーノ® エフ | 風合い 軽さ 耐傷 | クラリーノに比べて、しなやかさや革らしい風合いに優れている |
クラリーノ リピュート® | 風合い 軽さ 耐傷 | しなやかさと品位のあるメタリック調の輝きが特長 |
クラリーノ® | 風合い 軽さ 耐傷 | 発売以来のロングセラーで最も軽いのが特長 |
一番、ランドセルに使われているのは、クラリーノ®エフです。
風合いとは、天然皮革(本革)と似た触感や質感で、表面に塗った樹脂にシワや模様を施すことで、本革のような風合いを表現しています。
クラリーノのシリーズの中で、最も傷に強いシリーズは、2020年に登場した「クラリーノ®タフロック®NEO」です。
丈夫なランドセルを選ぶのなら「クラリーノ®タフロック®NEO」がおすすめですが、ランドセルの種類はまだ少ないです。
傷に強いクラリーノランドセル徹底比較5選!おすすめランキングコードレ
「コードレ®」は帝人コードレの人工皮革。
コードレは、クラリーノに比べて革に張りがあるため、擦れた際の傷やひっかき傷がつきにくく、水をはじく撥水力も高めと言われています。
タフガード
「タフガード®」は帝人コードレの人工皮革。
ニトリと共同開発で開発したものです。
タフガード種類 | 評価 (軽さ) | 評価 (耐傷) | 説明 |
---|---|---|---|
タフガード® | 軽い | ||
タフガード®ライト | 最軽量 タフガードより10%軽い | ||
タフガード®デラックス | 光沢がある | ||
スーパータフガード® | ー | 傷に強い |
ベルバイオ
「ベルバイオ」は、フィルウェルの人工皮革。
池田屋と共同開発したものです。
軽さ、丈夫さ、お手入れのしやすさが特徴です。
人工皮革のメリットとデメリット
メリット
- 軽量・丈夫
- 安価
- 耐水性
- デザインが豊富
人工皮革は天然皮革に比べて、軽くて丈夫、手入れが簡単、染色がしやすいというメリットがあります。
ランドセルは、小学生が最大6年間使いますので、人工皮革のメリットが活かせます。
また、ランドセルは、大容量化やカラーの多様化も進んでいるので、染色がしやすいという特徴も活かせます。
デメリット
- 経年変化(エイジング)がない
- 牛革よりも傷がつきやすいこともある
- 天然皮革より風合いが劣る
- リメイクを断られることがある
牛革などは経年変化(エイジング)を楽しめますが、人工皮革は経年劣化だけです。
傷に強い人工皮革も出てきていますが、一般的には天然皮革の方が傷に強いと言われています。
人工皮革は天然皮革に似せていますが、本革には風合いはかないません。
ランドセルを6年間使い終わった後に、リメイクを断られることがあります。
リメイクとは、ランドセルを捨てずに、財布やキーケースなどに作り変えることです。
人工皮革のランドセルは、経年劣化の影響が大きい理由で断られることがあります。
経年劣化とは、空気中の水分を吸って、加水分解と呼ばれる劣化現象が起き、表面がベタベタしたり、ひび割れしたりします。
人工皮革も天然皮革も経年劣化します。
一般的にリメイクで受け入れてくれる年数は製造から10年以内です。
人工皮革と合成皮革は違う
人工皮革と合成皮革(合皮)は、どちらも本革(牛革などの天然皮革)に似せて作った人工的な素材ですが、製造方法が違います。
合皮は、ニットや織物などのベースとなる布地(基布)に樹脂を塗って作ります。
人工皮革は、マイクロファイバー(化学繊維)などで作った不織布(織らない布状のもの)に、樹脂をしみ込ませて作ります。
人工皮革は表面だけでなく、内部構造から本革に近づけて作られます。
合皮は、ビニールっぽさがあり、高級感を出すには向いていません。
また、人工皮革と比べて基布が安いため、低コストで大量生産したい雑貨や靴に向いています。
ニットや織物をベースにしているので、フィット感やグリップ力に優れますが、耐水性がないため、耐久性が必要なランドセルには向いていません。
ですから、合成皮革を使ったランドセルは耐久性がないので選ばないようにしましょう。
まとめ
ランドセルの素材について説明をしました。
ランドセルは、天然皮革と人工皮革の素材があり、人工皮革のクラリーノが良く選ばれています。
理由は、牛革よりも安価、軽量、お手入れが楽、デザイン・色が豊富といった理由です。
上記のメリットを選ぶのなら人工皮革がおすすめです。
また、牛革や馬革には、天然皮革ならではの風合いがありますので、革好きな方や本物志向の方はおすすめです。
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